アワビ、サザエの素潜り漁

08.07

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先日投稿したアワビ、サザエの素潜り漁。
結局5日間漁を行いました。
本当は今日まで解禁なのですが、台風の影響でシケとなり打止めです。(このくらいの風と波なら素潜り漁はできます。)
地域の磯場で1番の高漁場は見事に磯焼けしていました。カジメ(アラメ、クロメなどの総称)はほ全滅でした。白くなった岩肌と名も知らないコケが生えており、その上を色とりどりのカラフルな魚達が泳いでいました。サザエやムラサキウニはがゴロゴロといます。
だけど、アワビは本当にたまに、偶然見つける程度でした。数少ないアワビではなく、サザエを拾う5日間の漁でした。

偶然目の前に現れた700グラム程のクロアワビ数枚は大阪のフレンチレストラン様へお嫁入りとなりました。狙って獲ると「俺ってセンスあるなぁ」とか、「やっぱり10年以上も潜ってると大体わかるんだよね、漁師は」などと喜ばしい勘違いをするのですが、
サザエを拾ってる時に、アワビの事など頭の片隅にもない時に突然目の前に現れると「ホント!?

めげず腐らず諦めず真面目に目の前の恵みをコツコツと収穫していたら神様はチャンスを与えてくれるのですね」と謙虚になれるのでした。見つけた瞬間に脈拍は上がり、興奮しているので息は続きません。一度浮上して呼吸を整えるのですがその間、先に述べた心模様の他にも、幻ではなかったのだろうか?などと思ったもします。それは過去にまぼろし?も経験しているからなのです。

少し深く10m程潜るとカジメのクキだけ残っていたり、場所によっては辛うじてポツンポツンと生えていたりします。又数年前まではカジメが生い茂っていた場所がタカモ(高藻・ホンダワラ)に変わっていたりします。

又、今年はタコが多く見られました。驚くほ多く。
タコはアワビが大好物なのです。過去にもアワビに覆い被さり窒息させている現場を何度か目撃しています。
吸盤でアワビの殻にある穴を塞いで窒息させて食べるのです。もちろん丸ごとお刺身で。そりゃ病みつきになりますよね。そんな時、アワビはタコを避けると簡単に手で取れます。タコも獲ってアワビも取った事もあるのでした。自分達漁師の事は棚に上げ、このタコ達が1日5枚ずつアワビを食べたらそりゃあアワビも減るだろなと考えたりもします。

さて、もう随分前の事ですが新井省吾さんという、水産の研究をされている先生に実際に潜って調査をして頂いた事があります。長年現場で活躍されていて磯焼けについても第一人者の凄い先生です。
まだ所々磯焼けの現象は見られるものの、海底一面カジメに覆われていた頃です。
しかし先生は「これはいつ磯焼けが広がってもおかしくない状況で危機的だね」と言われました。他の地域の先例も紹介しながら、その理由も説明して下さいました。正直驚きましました。又、磯焼けに対して私達人間が出来る対策は、正直なところ微微たるモノだとも言われました。
残念ながら国など行政が行なったりしている対策は、殆ど功を成していないのが現状です。いわゆる公共事業ともいえるのでした。

ワカメやカジメなど美味しい海藻を食べ尽くしてしまった魚達は、今度はヒジキを食べるのではないだろうかと私は思っています。という事は来年はヒジキも無くなっているのでしょうか。ただ結果を待つしかないのでしょうか。

色んな事を考えます。磯焼けについてもそうですが、漁業資源の枯渇から浜の存続、島の存続。
青年になった子供達は都会に憧れ島を離れて行きます。親も積極的に都会へと子供達を導きます。都会の作られた多様さに憧れと価値を求めて。「何処かで自分達の人生に悔いがあるのかも」ポツリとそう言った同年代の親もいました。

問題も、答えも繋がっているような気がします。

問題意識を持ちながら何1つ変える事の出来ない不甲斐なさを感じながら終えたこの夏の素潜り漁でした。

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